2014年08月09日

AIRPLANE BLUES / Allen Ginsberg を声に出して読んだ

「詩の朗読」ではあるんだけど、いわゆる「詩の朗読」とはちょっと違う、スポークン・ワーズとも、ポエトリー・リーディングとも言うスタイルの作品を作ったので聴いて下さい。

これは7月13日にやった詩の朗読イベントで披露したアレン・ギンズバーグの1986年の作品エアポート・ブルーズ(「White Shroud〜白い経帷子」収録)用に作ったバックトラックに朗読だけあとで録音してミックスしたものです。

詩は「追記」に載せておきます。


*アレン・ギンズバーグ
*映画「今を生きる」
*ウォルト・ホイットマン

そして、短編小説朗読+音楽作品「アリオト」の第3話は今日明日で編集して遂に近日公開予定です。お待たせしました。どうぞお楽しみに。

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僕がレギュラー出演している2つのポッドキャスト番組もあわせてお楽しみ下さい。
 *マリコノメセンデ(益田真里子)
 *Girly Radio Podcast(神田沙織)

エアプレーン・ブルース 
アレンギンズ・バーグ(諏訪 優=訳)

ある青く晴れた日 わたしは空港へクルマを走らせた
ところで 空からの眺めはーーー
デンバーの空に黒ずんだスモッグ
地平線はよごれた灰色

やがて眼下にミズリー州
広い河が南へ向けて湾曲していた
ダコタの空はスバラシかった
わたしはホッとしてタバコに火をつけた

半世紀余りの年月
わたしにはたくさんの愛人がいた
いままた 新たなボーイ・フレンドがいる
彼は19歳 彼はわたしを愛している
でも わたしは臆病だし はずかしくて
いまひとつ うまくいかない

だから 天国(あのよ)へ向けて老いてゆこう

空へ向かってブルースを唄おう

時々太陽をかくす白い雲のほかに ここには何も無い
心は安らかさでいっぱい
あっけらかんとした大空と乗客たち

だが 見おろす大地は 苦しみながら回転する
武器産業のおかげで ドルが増えつづける

人間というものの大いなる惑いよ
まっ赤な怒りで 空を浄(きよ)めよ

爆弾が必要でも核にたよるな
言葉よ この頁の上で休息せよ
荘厳な地獄だ
わたしたちの喜びは鳥篭の中
憎しみにあふれる心は
わたしの晩年まで続くのだろう
母は死んだ そのあと 父の長い無気力
やさしい兄がいて 頭痛に悩んでいたっけ
わたしは友だちとホモセックスに うつつをぬかし
その間 大統領が ラジオでしゃべりまくっていた

眼下にミシシッピー河 ミネアポリスのあたりだ
ノーザン・ヘミスフィアの 農場の緑に心安らぐ

大地では無数の人間が 味気ない粘土を噛んでいる
この世紀 アフリカの古い国王は 飢えている

イランの新聞で これからも
更に多くの死の記事を読むだろう

神はイスラエルを支配し 戦車がアフガニスタンへ侵攻する
ダダニスクに戒厳令がしかれ
あのベトナム戦争はもう過去のこと

グアテマラの原住民謀殺 エル・サルバドルの大火

ロンドン ベルファースト ロスアンジェルス そしてプラハ

テル・アビブー モスコー みんなスモッグの中に坐っている

プノンペンの血塗られた破滅は ワシントンのプライドのせいだった
ハノイは北京を憎み 毛沢東大明神は死んでしまった

わたしは大空で孤独だ 失うものは何も無い
いずれ燃えつきる太陽よ
それなのに なぜ空は青いか

地球・・荘厳な監獄よ
わたしたちの喜びは鳥篭の中
憎しみにあふれる心は わたしの晩年まで続くだろう

日没の中で旋回しながら振り向くと
マンハッタン島の上空だ

ちらっと翼の下に見えたあそこは
わたしが生まれた場所ニューアークだ
カーニーの緑色のガスタンク
茶色いスモッグが空に澱み
七百万の黒人と白人がここに暮らし
そして死んでいく

ハーレムの上空で降下に移る
赤レンガの建物がまだ残っていて
窓ガラスで日暮れの光線が光る

車輪が滑走路でバウンドする
ジェトストリームで縞のできた空

西の空に黒い雲の列

わたしはローソー・イースト・サイドに帰って
とにかく疲れを癒すことにしよう

(1986年 White Shroud 収録)
posted by thin-p at 16:01| Comment(0) | Podcast | 更新情報をチェックする
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